お手紙
小学2年生の男の子から大変嬉しいお手紙を頂いたので、報告させて頂きます。
静岡県に住む小学2年生の子から当社宛に頂いた手紙の内容は、以下となります。
おそらく、このお子さんが本当に刀が好きで、当社の日本刀モチーフ商品の存在に辿り着き、製造現場の映像をYoutubeで見て、モノづくりの現場を実際に見に行きたくなった事かと思われます。このように、小さな子供でも目に付くようなモノづくりができていると、当社の仕事に大変誇らしさを感じました。
また、その後、お母様から直接メールをいただき、こちらも大変胸が熱くなりました。
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ニッケン刃物株式会社 代表取締役社長 熊田様
初めまして。このたびは息子の〇〇にお忙しい中、社長様直々にご丁寧なお手紙をいただきまして誠にありがとうございます。とてもとても感激しております。
実は息子はIQは高いのですが、学習障害があり、特に頭の中にある思いを想起し、文字をおこし『書く』と言うことが苦手です。
わかったのは1年前ですが、今まで学校の作文や日記は1行書くのがやっと 学校でどうしても1ページ2ページ書かなくてはいけない時などは3時間4時間掛けて泣きながら仕上げ、できあがった頃には魂が抜けてしまうような状態でした。
私たち普通の人からは計り知れない労力のようです。1年前に通っていた私立小をやめ、公立小とオルタナティブスクールを併用して学校に通っていますが連絡帳も書いてこない息子が突然ニッケン刃物さんの動画を見せてきて
『この会社にお手紙を書きたい』
と言った時は、衝撃と同時に御社への感謝が止まりませんでした。自分の思いを伝えたい。だから出来なくても苦手でも大変でも書きたい。そういう心情になったことは息子のこれから生きていく上での財産になると思います。そんな機会を与えてくださった御社に感謝いたします。
1歳半頃から刀に興味を持ち、2歳で刀を持ち美しいひな人形にはまり、3歳で戦国武将にはまり、高校の歴史の参考書を読みあさるような子でした。4歳ごろから、ものを作ることに興味を持ちだし、工作から始まったもの作りは今は、自分で釘を叩いて伸ばし、研いでペーパーナイフを作ることや、弓を作って、どうやったら上手く出来るかと弓矢さんに手ほどきをお願いしに行くまでになりました。
この子は将来きっとものづくりをする子になるのでは・・・と思っています。そうなったら本人はきっと幸せでしょうね。
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全文を読み終わった後は、思いのほか、涙が込み上げていることに気づきました。
ハンデを抱えながらもそれを越える感情を抱いてもらい、手紙を書いてくれたことを本当に嬉しく感じます。こういった激励の言葉は、当社のようなメーカーに大きなやりがいをもたらせてくれます。そのやりがいが私たちの原動力に繋がるため、この頂いた便りは一生忘れません。
こういった貴重なメッセージは全スタッフにも知ってもらいたかったため、朝礼や回覧で共有させて頂きました。(製造部門は責任者が自発的に回覧してくれて、こちらも嬉しかったです)
更に嬉しい事に、スタッフ数人から「メーカーに働いて良かったと思えます。」「普通に通っていた勤務先がこれほど影響を与えていた事に感激しました。」「当社商品を誇りに思いました。」「モノづくりで子供に関心を持ってもらえるとは嬉しい限りです。」といった返事も頂きました。
ひと手間かけて送ってくれた小学2年生の行動がここまで多くの大人の心を動かして、良い循環になっていることを大変喜ばしく感じます。晴れやかな気分にさせてもらえたので、この気持ちをいつまでも大事に、日々モノづくりに励みたいと思います。
ニッケン刃物株式会社代表取締役 熊田祐士