領域を増やす

どの組織でも割り振られた仕事を確実にこなすことが大事ですが、自分で勝手に仕事の領域を作ってしまい、それ以外の仕事を受け付けないのはもったいないと感じます。

ある人に仕事が偏り過ぎて、その人ばかりに負担がいき、ストレスとなる事もあるので、これは避けないといけませんが、このケースは、納期に余裕を持たせる事や、（残業がしにくい環境であれば）特別に残業を上司の指示で許可する、他の人でもカバーできる業務は周りにも手伝ってもらうなど、管理者がしっかりチームをコントロールする必要があると思います。

どんな会社でも仕事ができる人には、自然と仕事が集まります。それは、その人にお願いすれば、能力があるので早く対処してくれる等の理由がついてきます。一方で、これまで割と時間に余裕があった人が２つの仕事を増やされた場合に、抵抗感を感じ、わざと１つの仕事をゆっくり取り組んだり、仕事に取り掛からない事も見てきたことがあります。これは、その人が自分で仕事の領域を作り込んでしまい、ゆとりのある時間が持てなくなることに対する抵抗や、これまでの通常業務がいっぱいいっぱいだというアピールによるものと感じております。難易度の高い仕事が1人に集まっている状況は避けなければいけませんが、信頼されて任せられる仕事には時間がかかっても取り組もうとする姿勢は必要です。

それが客先でも社内でも一緒であると感じるので、誠意を持った仕事ができる人たちとこれからも励んでいきたいと思います。当社もハサミをメインとした会社ではありますが、お客様の要望が強いものや競合がしにくいものがあれば、領域を増やしてトライしていきます。

ニッケン刃物代表取締役　熊田祐士