チーム力と関わり方
仕事をする上での最大のポイントは「協調性」
組織は「人が命」で、人を大事にする会社こそ今後伸びていくと言われております。
私も全くその通りだと思い、会社代表になってからはそれを意識した組織づくりを目指しております。
例えば、社員同士のチームワークをよくするためのグループ会議や親睦交流イベントは当然の事ながら実施し、日々、社員同士の繋がりに欠落がないかを出来る限り見ながら、自身の業務も行っています。とは言え、人それぞれに考え方があるため、時には社員の中で意見の食い違いから敵対感が生じ、チームワークが乱れる事があります。それが一時的な事で済めば、良い組織と言えますが、その出来事をきっかけに「その人とは関わりたくない」「相談もしにくい」という気持ちが芽生えると、長期的にチームワークが悪い方へ向かっていきます。
当社も数年前と比べると、相手を尊重した上での意見の言い合いをしている事が増えてきましたが、まだまだ相手への伝え方やイライラが抑えきれていない場面もたまに見られます。人は性格を急には変えられないのはわかってはいますが、相手への配慮や考え方の理解は、意識次第で徐々に変わってくると思います。
実際に私も3~4年前は現会長(当時社長)に対し、社員の中で業務時間にネットサーフィンをしたり、やる気のない報告書を義務感だけで書いたりしている社員が一部いたりすると、社員へ直接注意するのではなく、会長に対し、「どうしてこんな環境を作ってきたのか」「社員がどれだけの熱量で仕事をしているか理解していないのか」とほぼ毎日のように責め立てていました。私は社員に仕事を任せる事は本当に素晴らしい事かと思っていますが、あまりにも放任で、どんな仕事をしているかの理解を怠っているようにも見えたため、そのような態度をとってきたのかと思います。
しかし、私が2018年に代表になってからは、会社代表の責任を長年全うしてきた会長への敬意と、また、1人1人の社員の確実にある良いところが見えてきたため、そういったストレスからはだんだんと解放されるようになりました。要するに、立場や見方が変われば、人は変われるという事に気づきました。それからは、社員の長所にフォーカスし、得意なジャンルの仕事を任せたり、誰にどの分野を相談すれば知りたい情報が得られるかが明確にわかってきました。そういった思考をしていると、社員が何かに失敗しても、「よくチャレンジしてくれた」「失敗は次の成功の鍵になる」という想いや、社員が質問に対して的外れな回答をしても、「私の質問の仕方が悪かったかな」「面白い回答をするなあ」と心にゆとりのある態度でいれるようになりました。
これらの経験から、チームワークを良くするために、社員1人1人が相手の立場や考え方をしっかり理解した上で、自分の意見をしっかり伝えられる環境づくりを更に整えていこうと思い至りました。社員同士だけでは話がうまくまとまりそうにない時にこそ、頼ってもらえるような存在でありたいと感じます。
刃物を通じてお客さんに快適な生活を送って頂くという想いは、全員が共通するベクトルであるので、そこを忘れずに力を合わせて進んでいきます。まだまだ発展途上の会社と感じるからこそ、伸びしろも大きいと期待しています。
ニッケン刃物株式会社 熊田祐士