値上げ緩和
昨今のウクライナ情勢によるステンレス鋼材の高騰や原油価格、電気代の高騰が影響し、当社だけでなく、刃物業界全体でここ1年程値上げが続いておりました。一部の商品で値上げを受諾頂いた各取引先様には、何かとお気遣い頂き、大変感謝しております。
ここに来てようやく、材料や光熱費の値上げが一服し、お客様にも度重なる値上げを依頼する事もほぼ無くなってきましたが、やはり昨今の値上げの影響で売上数量が減少するものや、廃番せざるを得ないものも出てまいりました。特に海外に出荷している一部商品が注文数量に大きな影響が出ているように感じております。
こういった状況の中で、当社のようなメーカーは、生産効率を上げて生産コストを下げるか、差別化した新商品を投入していく等といった対応策が必要となります。とは言え、生産効率を上げるためには新たな生産設備が必要になったり、新商品を作るには新たな金型や研究費が必要になったり、大きな費用をかける事が伴ってくるため、積極的な投資に踏み出せない状況でした。
そんな中、当社では30年前まで製造していた品目を再復活させていこうという流れがあり、一部設備を導入する事になりました。これで昨今の値上げによるマイナス影響を打破できるかは未知ですが、客先からの強い要望や意欲の高い社員の気持ちにも応える形で再スタートできるため、今後が楽しみです。
当社に期待頂けるお客さんや変化を楽しんでくれる社員さんのためにも、これからやれる事はやっていきたいと思います。
ニッケン刃物代表取締役 熊田祐士